微生物で円月島修復へ 和高専が研究開始
海洋に関する研究に挑戦する中高生をサポートする公益財団法人日本財団などの「マリンチャレンジプログラム」の1次審査で、和歌山工業高等専門学校(御坊市)の物質工学科2年、中嶋夢生さん(和歌山大学付属中学校出身)と宮坂萌々香さん(和歌山市立伏虎中学校出身)の共同研究が助成対象に採択された。テーマは白浜町にある円月島の環境に配慮した修復方法で、今後研究を進め、2次審査突破を目指す。
同プログラムは同財団と㈱リバネス、一般社団法人日本先端科学技術教育人材研究開発機構(JASTO)が実施。海洋分野でのさまざまな課題の解決へ、海に関するあらゆるテーマについて研究する中高生の活動をサポートする。
1次審査、2次審査、全国大会があり、本年度の1次審査は全国5ブロックで60チームを採択。各チームは助成される5万円で研究をスタートさせ、2次審査で成果を発表。2次審査を通過した15チームは、さらに追加助成を受けて研究を進めることができ、集大成として来年3月の全国大会で発表する。
中嶋さんと宮坂さんのテーマは「海洋環境保全のためのバイオセメンテーション技術の開発」。白浜町にある国指定名勝「円月島」が、風雨による浸食で崩落の危機にあることに着目し、修復方法を研究。一般的なセメントで固める方法ではなく、微生物の力を利用したバイオセメンテーション技術の活用を提案している。具体的には、風化したり崩れ落ちたりした破片などを微生物の力で固めて元の場所に戻すことで、セメントよりも環境に配慮した修復を目指す。
2人は楠部真崇准教授の指導のもと研究に取り掛かっており、8月24日に大阪市で開かれる2次審査に挑む。
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